Jean: Sunny room without anyone

(続き)





暫く前に撮影したシリーズ。
妻が娘と猫を迎えに行った日、食卓付近にまで光が射しているのを見て、撮ってみたくなった。人形は誰でという考えはなかったのだが、久しぶりの空気感を捉えたいと考えると、この子が出てきた。廃屋の中で新たな話し相手を求めている_という設定を思い出した所為なのだろうか。誰もいない部屋の中、昼になる前の明るい陽光の中で彼女と向き合うことにした。
薬瓶のラベルや蓋の黄色。青や黄色のファイル。白くて丸い時計。いろんなものが付近にあるのだが、レンズを通した画像の中では曖昧な色の滲みでしかない。この子は不思議そうに自分の周りを見回しているかのようだ。人形の周りには特別な空気や時間の流れが存在していて、私はとりとめのない思いを巡らせる。明るくて、静かで、誰もいない世界。何も言わなくても彼女には何かが伝わっているのだ。







