Psyche: Lie down by the sunny window
(続き)
外に一歩出ると、まだまだ寒いのだけれど、南に向いた窓辺の光は暖かい。ベンチの上を片づけて、彼女を横たえてやった。この下は、猫のお気に入りの場所。しかし見回してみたら、食卓の私の椅子の上で丸くなっていた。
カーテンを通過してくる光には透かし模様の影が出来ていて、時折、はっきりと彼女の顔に形が浮かび上がる。明るいのか暗いのか、はっきりしない。顔の上に影絵ができてしまって、ポートレートとして、どうなのかも分からない。光の強さが微かに変化するのが私には時間の移ろいに見えた。暫く見詰めていると、ベンチの上に寝転んでいるのは、大人びた可愛らしい少女に思えてくる。柔らかな彼女の体温まで容易に想像することができた。
撮影終わりに、チロルチョコの一包みを開いて、口に入れた。準チョコレートの味が優しかった。