Elica: A little more gorgeous
(続き)
前回の記事 "Elica: Imaginary August Light" と同じ日の撮影。
こちらが本編の筈だったが、その時の気分とは距離があったため、公開を遅らせた。しかし、日々の様子を思うにつけ、いくらかでも華やかなものに目を向けたくなった。
4〜5年程前の冬を思い出している。
もともと人付き合いが厭で、暗い部屋に閉じこもることを望んでいた。退職したら朝から飲む日があっても良いのではないか。実行してみたときもあったのだが、それが楽しいかと言えばそれほどでもない。気が向けば外の光を見てみたくなるし、書店や映画館へも行ってみたい。
しかし、今は、御為ごかしの正義の風が吹き荒れている。
あれはしてはいけない。これをしろ。
ふと、中学・高校生の頃、こんな年寄りになりたいと憧れた谷崎潤一郎や永井荷風のことを思い出す。
二人とも没年は79歳。私の父より1歳だけ長生きしたようだ。
頑健だった父より長生きできるとは思っていないが、少なくなった残りの時間は、自分の好きな、美しいものだけを考えて全うしたい。
TVだけでなくSNS からも距離を置いて…。