Frieda: The blue sky in her eyes
(続き)
西の窓辺に蒲団を積み上げて撮影したシリーズ。
「匂い立つ」という常套句が口を衝いて出た。
この人形も暫く同じ衣装で過ごしている。今日こそは着替えて撮影_のはずだったが、収納場所から抱き起して眺めている内に、このままで良いという判断に変わった。何とも言えない大人の女性の美しさ、物憂い表情が胸に迫る。関節の独立球が納まる受けの部分、その周縁部分が少しずつ欠け始めていて、小さな欠片の一つ二つを拾い集めたりもしたからか。
ふと、彼女の瞳が輝いてるのに気づく。光の入り方で、虹彩が一際輝く時があるのは、これまでも承知していたのだが、今日は瞳の中に青空が映っていた。窓硝子越しの青空だから、それは小さな四辺形に切り取られている。それでも鮮やかな青の中には白い雲があり、もっと仔細に見れば、その雲は風に流されていたはずだ。
大きな人形が有している静かな美しさに、今日は穏やかな酩酊感さえ伴っていた。 真木環ドールの Psyche 同様、天人五衰の不吉な予感が手伝ったのかもしれない。
P.S. ブログを休止して、暫くの間、Stampsy へ行きます。