Daisy: uneasiness at sunset
(続き)
何もする気持ちにはなれない塞ぎ込みが続いている。
横になって古い歌を Bluetooth イヤホンに流す。
「いつも何度でも」「プカプカ」「夕暮れ」「瞳を閉じて」「夕陽が泣いている」…
歌い手も曲調も、或いは時代背景も違うのに、ごちゃまぜの音楽ファイルから流れてくる歌は2020年3月を生きている今の私の気持ちに近い。
暫く横になっていたら、西陽の輝きを人形と一緒に残すぐらいは出来そうに思えてきた。今日は Raccoon の44.5㎝キャストドールを窓辺に置いた。短時間の撮影で、同じようなものばかり写したし、あれこれ思うこともあるのだが、自分がやりたいと思うことしか続けられそうにない。私に残された時間はどれぐらいあるのかな。皆、それが分かっていたら、もっと違う毎日を送るのかもしれない。
つひにゆく道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
高校生の時には詰まらないと思った伊勢物語のこの歌が思い出される。あの頃、父は、まだ50前。どんな気分で航海を終えて家に戻り、余所余所しい息子を見ていたのだろうか。