Alice38: The light of hope she sees
(続き)
前回の記事 "Alice38: grumpy" に比べて遥かに機嫌が良さそうなこの子。
危なっかしい窓の桟から降ろしてやって、転落防止用に撒き散らしていたクッションの一つに座らせたからなのか。
横を向いたときの嬉しそうな表情に見入ってしまう。横顔が好きだということは自覚していて、それは対人関係を苦手とする性格から来ているのだろう_と考えてきた。しかし、このシリーズの画像を眺めていると、彼女の見つめている先には、私の所には存在していない素晴らしいものがあるのではないかと思えてくる。
私にとっては遥か昔。全学集会で集まったスタンドの上、私よりも少し上の席にいた人の横顔が美しかったのは、彼女の視線の先には彼女の心を捉えて離さないものがあったからなのだろう。それは私が竟に持ちえなかった生きてゆく夢や希望に繋がるものではなかったのか。遠いあの日、彼女は何を見詰めていたのかと思う。
もう二度と見ることの叶わない十代の光を思い返していた。